2015年2月22日日曜日

春を告げるキムチ

I先生の研究室でながい食談義をした。話題の一つが胡椒と唐辛子だった。
幕末に咸臨丸がアメリカに行った時、コメ、ミソ、ショウユなど大量の原料と調味料をつんでいったのは旅行中も日本食を食べたかったからである。
なかにコショウとトウガラシがあったがコショウが気になった。今の和食にはあまりつかわれないからだ。

コショウはいうまでもなく大航海時代を起こした原因の一つであった。
I先生によると、コショウはトウガラシより先に日本に輸入されて一時はブームを呼んだそうで、使い方はウドンにふりかけていたのではないかと言う(ラーメ ンに欠かせないものだが、ウドンにとは聞かない、コショウウドンがあればレセピーがほしい)。しかし、そのあとトウガラシに取って代わられたそうだ。

そんなことを考えていたので帰り道に鶴橋に寄った。狭い迷路のようなマーケットには小さな飲み屋や食料品店が並ぶ。
日本の店がデパチカに代表されるように、大型化し、食品も小ぎれいなラベルのついたパック入りになって工業製品的になってきたが、ここでは手作りの伝統が生きている。素材と漬物の間がごく近いのだ。

トウガラシにまみれたキムチのケース。キムチといえば白菜と思うが、今はワタリガニの季節。他に長ネギ、小松菜、ラッキョなど新鮮な野菜、その白、緑と赤いトウガラシの色の対比が鮮やかで、春の訪れを感じた。

写真の中央ケジャンがワタリガニ
(小山修三)

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