2016年9月21日水曜日

奈良の寝倒れ


昨日の日中は台風の激しい雨でした。このあたりは、幸い大きな被害はなかったようですが、外にも出られずベッド本を読んでたら、ぐっすり寝入ってしまった。実は、この昼夜逆転現象は今夏の厳しい暑さのせいです。昼間に冷房をつけて寝てしまうくせがついたのです。ところが『季刊民族学』157号で、信州の山特集をやったために、何度も長野県にでかけたので大変でした。

信州の仕事では祖父江孝夫先生の「県民性」の研究が役立ちました。薩摩の大提灯、信濃の小提灯、信州人は理屈っぽく独立独歩的だが、最後には「信濃の国」の歌を唄ってまとまる、という笑い話(実話だそうです)が当たってるなーと感じました。もちろん類型化は危険ですが、それでも鋭くポイントついている。

県民性と言えば、奈良には「寝倒れ」というのがあります。「京の着倒れ」、「大阪の食い倒れ」に対応するもので、温和な気候、豊かな経済にめぐまれているために、進取の気象に乏しいということだそうです。わたしは讃岐人で、(祖父江さんの分類では)機敏で、へらこいはずですが、奈良に住むようになって20年以上になると、上品でのんびりした人と化してしまったのかなー、それともだだの老化かしら寄る年波のせいかなーと、今も寝不足でぼんやりした頭で考えています。

(小山 修三)

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