2015年6月25日木曜日

ケープ・コッド: 人工な的自然?



ケープ・コッド(鱈の岬という意味)はボストンからバスで二時間あまり、気候がよく、景観と歴史遺跡(メイフラワー号が最初に上陸したプリマスはとなりま ち)に恵まれた高級住宅地であると同時に観光地でもあることは東京にたいする鎌倉との関係に似ている。この地の自然は素晴らしい。引退して悠々自適の生活 を送る友人の家は湖畔にあり、ベランダで地ビールを飲みながら芽吹きはじめた対岸の落葉樹の林を眺めているのはなかなかいい気持ちだ。

彼の散歩コースの近所には、電信柱状にたてたミサゴの巣、ニシン(herring)が産卵に来る魚道、季節になると巣づくりにくるsand piper(?)、目を見張るものがいっぱいだ。それらはみんな市の条例によって厳しく規制されていて手を出すことができない。市民が支えている自然なの だ。
ところが一方で、おおきな観光地下の波が押し寄せている。主な道路に面してホテルやロッジがたちならび、レストラン、土産物屋がひしめいている。大ショッ ピングの計画が持ち上がり、ギリギリのところで議会で否決したという話を聞いた。しかし、観光は街の未来にとって欠かすことのできない問題なのだ。

しかし変な施設をむやみにつくるよりは規制をかけても守ることが重要だとおもう。つまり、ケープ・コッドの自然とは、ある意味で人がつくっていく自然であ りイェローストーンのあのザラザラした肌触りの自然とは全く違うものだ。それでも、これからの自然はこうして守っていかねばならないのかもしれない。

(小山修三)

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