2013年12月4日水曜日

ハノイの交差点 :ベトナム旅行記(その2)

信号が変わるとどどっとバイクが流れ出す。タクシー、トラック、自転車、手押しの屋台車。そのスキをついて横断する人、すさまじいクラクション。パワーあふれる、整然とした混沌というべきか。

案内人のMさんはハノイの庶民サラリーマンのトップ層に属するだろう、ちいさな旅行会社の支店長、日本にもなんどもきたそうだ。マンションに住み、子ども2人を(高級な)私立小学校に通わせ、HONDA(コピーの中国製HONGDAではない)のバイクをのり回しているが、そのうち金がたまったら乗用車を買うんだと意気込んでいる。

「やめなさいよ、中国を見なさい。空気はわるくなるし、ハノイだってそのうち交通マヒをおこして車は動けなくなる、あんたたちはこの辺でやめときなさい。それで地球が救われる」とからかうと、「それは無理無体というもの、私たちは日本式生活を目指してこうして夜も日もおかず働いてるんだから」と受け流された。モータライゼイションに関していえば、山地の村でも確実に進行しており、もう止めることはできないようだ。

経済発展ー(石油・ガス・原発)ー自然破壊という文明開化(?)の道は日本がモデルとなって、発展途上の国々を引っ張ってきた。だから私たちは(まして気楽でたのしい観光客として)したり顔で大口をたたくのもどうかと思った。
 
(小山修三)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿